‘ガラス交換’ カテゴリーのアーカイブ
ダイハツL200系ミラのウォークスルーバンです。
1990年代の何処となく見覚えのあるようなスタイルです。
生産台数も少ない様なので、見かける事も難しいかもしれません。
それ故車好きには堪らないお車ですね。
残念なことに、希少な車と言う物は部品もすぐ生産中止となってしまいます。
エンジン部品や足廻り、ボディーパーツやガラスなど消耗品が生産中止と
なってしまうと大変困ります。
お困りになったオーナー様が弊社を探していただき、ミラのフロントガラスを
作って欲しいと割れたガラスを送ってきてくれました。
最初お話を伺った時は平らなガラスかと思いきや、結構曲線が付いてる!?
時間は掛かりましたが、曲線がほとんど同じガラスを見つけることが出来ました。
新品ガラスの上に割れたガラスを乗せて、大きい部分を切っていきます。
横曲げが多いので、乗せた状態で型を取ると、横幅に内・外周の誤差が
出てしまいます。 寸法をしっかりと図らないといけません。
上下の切られた部分です。
フロントガラスが完成しました。
割れたガラスの上に乗せても、ぴったりと合います。
後は、ガラスの淵を削って切断面を滑らかにしていきます。
ご依頼主は静岡の車屋さんなので、フロントガラスのみを送る事にします。
ここからは静岡の車屋さんにて取り付け工程に入ります。
ミラのボディが黒からオリジナル調の黄色に塗装されています。
この艶の引けた様な黄色が当時の雰囲気を思い出させてくれますね。
昔よく花屋さんで使われていたような・・・
静岡のガラス屋さん、ご丁寧なお仕事ありがとうございます。
ガラスに付いているロゴマークもちょっと隠れてしまいますが、
何とかマークが残る様に切りました。
ひとまず車検対応です。
いいですね~。
当時は透明ガラスですが、現在の供給部品は9割以上緑系になってしまいます。
フロントガラスの色が少し違うのが残念なところです。
懐かしいお車の入庫です。
日産3代目ローレルですが、初代メダリストです。
ローレル2代目130のSGXは今でも人気がありますが、この車は昭和50年代前半に
高級車(サルーン)として注目されてたいわゆるVIPカーになります。
SGXより生産台数が少ない希少車ですね。
残念なことに自然災害により、フロントガラスがバリバリに割れて
しまっている状態です。 アッパーモールもへこみが見られます。
ご自身の運転ミスでは無く、ただ駐車していただけなのにと
オーナー様も大変悔やんでおります。
オーナー様のマイカーへの思い入れを考えまして、
小生、少しでも元通りにできればと努力させていただきます。
と言いましても、本音は無理でしょ!と、泣きたい所かな・・・
部品なんてもう何処捜しても無いでしょう。
やむを得ず、現在流通しているガラスの中から
曲げの合いそうなガラスを探し、ボディの大きさに切っていくしかなさそうです。
わかってはいましたが、簡単には合うガラスなどなかなか見つかりません。
フロントガラス合計4~5枚は無駄にしたでしょうか。
努力は裏切らない!
なんてクサイ言葉も信じてしまうほど、ぴったり合うガラスを見つけました。
後はガラスを微調整で削っていきます。
周りのステンレスモールが鉄板ビスでしっかりと固定されます。
もしガラスの曲げが合っていなければ、ビスを閉め込む事は危険です。
仮付けで問題なさそうですので、ようやく取り付け工程にかかれます。
良い感じですね。
上部のボカシ色が緑から青に変更になりましたが、
違和感ありません、と言うよりオリジナルより綺麗かも。
完成となりました。
オーナー様が大変喜んでいただいたので、困難な作業でしたが
やりがいのあるフロントガラス交換となりました。
日産230セドリック2ドアハードトップです。
いかにも昭和の匂いが漂いそうな
懐かしいフォルムであります。
ボディ塗装が終わった後フロントガラスを交換して欲しいと、
お車を持ち込んでいただきました。
割れは有りませんが、経年劣化ゆえ隅っこの気泡が気になられるとの事。
メッキや内装も綺麗にされている状態なので、さすがに
ガラスは気になってしまう所なのでしょう。
しかし230セドリックはガラスの型がセダンしか存在しません。
ハードトップのガラスは存在しないという事になります。
全体の曲げが有っていましたので、上部3㎝程切って使えそうです。
黒セラミック部分を切るのは、やや大変な作業となってしまいます。
ガラス端を黒セラミックで作ったのが残念ですね。
無事にフロントガラスが付きそうですが、黒セラミックがちょっと気になります。
モダンなセドリックと言ったところでしょうか。
’77年型リンカーンコンチネンタルです。
40年以上前のいかにもアメリカンドリームを叶えている様な存在感があります。
とにかくでかい! 全長6メートル以上でしょうか?
本来付いているガラスがアクリル樹脂に代わっております。 これはルーフパネルを切って
幌タイプに改造されている為、補強の意味でピラーを溶接増ししたものの最後のガラスが
合わなかったと言うケースでしょうか。
しかしアクリルウィンドは曲げもしっかりと作られており良く出来た作りですが、
せっかくのリンカーンも残念な車となってしまいます。
横幅が長いので、普通車では対応できません。
しかし曲げが思ったよりキツイので、トラックなどのガラスも全く合わない状態です。
4~5枚ガラスを無駄にしながら、一番近いガラスを何とか見つけた所です。
諦めようとしても最後には見つかる物ですね。
ガラスを見つける手伝いをしてくれた問屋に大変感謝です。
ガラスを乗せた状態です。
多少上部の曲げが合わない為、外側に付くステンレスモールも加工が必要となります。
幌を閉めた時にかなりのテンションが掛かりますので最終チェックは緊張したな~
ワイパーも無事装着されて問題なさそうです。
完成です。
オーナー様はまだお若い素敵なご夫婦でした。
奥様も運転されるそうですが、さすがにアクリルでは見づらく危険でしたでしょう。
上部にボカシとルームミラーも付いて気分もさぞかし晴れやかではないでしょうか。
もしガラスが割れてしまったら、合うガラスも見つけましたのですぐ対応できそうです。
1970年代にフランスの商用車として活躍したSaviemです。
日本語ですとサビエムかサビームと私は発音しております。
半世紀近く過去に作られた、いかにもフランス車らしいおしゃれなデザインです。
後部にはパンを焼く窯が乗っており、どことなく子供たちがはしゃぎながら
集まってきそうな夢の有る車ですね。
しかし夢の有る車もフロントガラスが無いと公道を走る事ができません。
当時はフロントガラスも強化ガラスが一般的に流通してました。
安全合わせガラスなどとても高価で高級スポーツカーぐらいしか仕様してません。
強化ガラスは一度飛び石を受けるとコッパ微塵に飛び散ってしまいます。
フロントガラス製作を工場に頼めば生産ラインや多くの人脈を動かす事になるので、
とんでもない金額が掛かってしまいます。
オリジナルの強化ガラスを探して交換するより、現在流通している合わせガラスを
加工して取付けた方が安全でかつ安価に済みそうです。
しかしこの左右の曲面は非常にきついアールです。
現在生産されているフロントガラスから曲がりの近い物を選び、大きさを
図りながらカットしていきます。
一枚目は曲げが合わず、二枚目に挑戦です。
二枚目は中心から左右両端200ミリ内側までは見事に合っています。
しかし端っこの曲げはかなりキツイ・・・
ちなみにカットは全て硝子カッターで手作業の施工となります。
考えた結果、マスキングテープのラインでガラスを切るしか無さそうです。
切ったガラスのつなぎ目は段差を無く加工して、シール剤でつなぎ合わせます。
純正のゴムもそのまま使えて問題なさそうです。
つなぎ目の外側にモールを張ればちょっとお洒落かもしれません。
ワイパーアームもガラスに合わせて曲げて作りました。
安全上考慮して、100km以上の距離を高速道路を走ってテストした結果、
問題無く無事に車検も通ってくれました。
フロントガラスは当時のオリジナル感が無くなってしまいましたが、
愛らしいヘッドライトで何故か好感を持ってしまいます。
子供たちは車の正面を顔に見たてる事が多いですからね。
末永くパンを焼いて働く車でいてください。
日産ブルーバードSSSターボ 何故か910ブルーバードが続きます。
ですが今回はセダンモデルとなります。
助手席側に飛び石を受けてしまい長い亀裂が出来てしまったようです。
オーナー様は関西から遠路遥々お越しいただきました。
理由と言うのも、地元はもちろん色々な業社を当ってみたものの、断られ続けて
たどり着いたのが弊社と言う事です。 お疲れ様でございます。
確かに910セダンのフロントガラスは完全に生産終了です。
世界中探しても流通などされて無い非現実的な部品となってしまっています。
ですが、似た作りの部品はわずかながらでも存在しているはずだと弊社は常に
考えております。
910ブルーバードセダンと似たガラスを見つけましたが微妙に下の部分が大きいので
迷わずカットします。
関西からのお客様を待たせるわけにはいきませんので慎重かつ迅速に施工します。
我ながらジャストサイズに収まりました。
上部にボカシが付いてしまっていますが充分な仕上がりになりました。
走行中の飛び石で簡単に割れてしまうガラスなどは、旧車にお乗りになるオーナー達から
みると大変厄介な部品かと思われます。
この様なケースは稀ではございますが、なんとかなる物でございます。
なんとも懐かしいブルーバード910ハードトップです。
オーナー様は当時のようにとレストア希望で弊社に赴いていただきました。
先ずはしっかりとお見積を作らせていただき、じっくりとプランを練っていきます。
オーナー様のご希望に添える所と、つらいですが妥協する部分も少しながらも
発生してしまう物でございます。
フロントガラスを外しましたが上部のボカシ色が変色しております。
小さな傷も多く、全塗装した車にこのガラスを付けるはやめましょうという事で、
フロントガラスは作ってもらう事になりました。
リヤガラスの形状は当時の凝った作りになっており、いわゆるバブル時代を窺わせる
職人の良い出来栄えの部品です。
ただし、ガラス周りのストリップラバーは完全に硬直しており再使用不可です。
ドアパネルの部品類は全て再使用となります。
当時物のクリップは純粋なプラスティックですので、慎重に外していきます。
実は壊れても意外と修復可能なんです
後日、塗装も終了して外した部品を取り付ける工程に入ります。
フロントガラスのグリーンボカシが鮮明で素晴らしいですね。
運転して一番目に付くのはフロントガラスです。
ガラスを磨くと言った方法もありますが、幸いにもガラスの金型がまだ存在してたので、
即断即決でガラスを作っていただきました。
オーナー様がリヤガラスのストリップラバーをお持ちになっていたとは驚きでした。
どのようにガラスを付けようか悩んでいた所です。 大変恐縮であります!
ステンレスのモールやガラスを磨けば部品一つ一つが鮮明に誇示しております。
30年以上経っていても気持ちを込めればここまで綺麗にできます。
910型の後、ブルーバードはフロントドライブいわゆるFFモデルと進化していきます。
時代の流れには逆らえないのでしょう。
しかしここまで新車のようになると、ふとタイムスリップの様な錯覚を覚えてしまいます。
アルファロメオ・アルフェッタのフロントガラス交換をします。
旧車の部品がなかなか存在しにくくなった現在、今回の作業も大変貴重な
体験かと感じております。
アウターモールを外した状態です。 感じてはいましたが、過去の修復状態が
あまりよろしくないようです。
ボディの腐食がかなり進んでいます。 画像の反対側は穴も開いてしまっています。
モール止めとなるクリップですが、これがボディに直接触れると
サビが起きやすいようです。
こんな部品も無いので、なるべく再使用しないといけません。
本格的に直すのであれば鈑金塗装で日数と費用が掛かりますが、
今回は簡易方法で処理します。
ボディに穴が開いた状態ではガラスの取り付けができないので、サビ除去剤と
転換剤で下地を作り、ファイバーパテで穴を埋めます。
その後、従来通りの施工工程に入る事ができます。
再使用されたアウターモールも磨けば新品同様です。
フロントガラスが綺麗になれば、サビの事など忘れてしまいそうですね。
しかしあくまでも応急処理の下地作りなので、長くは持たないかもしれません。
大事にお乗りいただきたいところです。
ポルシェ空冷エンジン最終モデルのガラス交換を施工します。
フロントガラスの枠側にある樹脂製ファスナーでアウターモールは固定されています。
モールを外すとシリコンのような充填剤が詰められていました。
これは、ボディフランジと樹脂ファスナーの間に数ミリの隙間が有り、それが異音や錆の原因と憶測
される為の安易な対策方法なのです。
フロントガラスを外してから古いシール材を取り除きます。
どうやら錆などのトラブルは無さそうです。
しかしボディ全体にシール材が付着してるので、ここの工程が1番手が掛かってしまいます。
ボディの際の所は傷がつくように削らないと古いシール材が除去できません。
その傷の処理を怠ると、腐食が始まり雨漏れ、最悪ボディに穴が開くといった悲惨な結果と
なってしまうのです。
小生、嫌と言うほど錆に侵されてしまった車を見て来ているので、
下地を作る所は最も重要で、かつ慎重な施工が不可欠と思います。
湿気を含む空気に触れた瞬間に、鉄肌は酸化を始めてしまいますので、
速やかな作業が必要とされます。
基本となる下地の作業が終了したら、2番目に重要な工程はシーリングだと思います。
ボディとガラスの相性も考慮しながら、数種類あるシール材の中から適した物を選びます。
ポルシェ993はシーリング方法に特徴が有り、そこは経験値がものを言う所でしょうか。
オリジナルを崩さず、錆や異音といったトラブルも同時に解消します。
フロントガラスを乗せてから、アウターモールを取り付けていきます。
ガラスとボディの隙間に余計なシーリングはしません。
完了です。
当時の993はトヨタの資本も加えられているので、ゲルマン魂の物作りの影が少し薄い
所があります。 しかし心臓部(エンジン)は今の時代に反して小粋と言ったところでしょうか。
以前弊社でリヤガラスを交換してくださったオーナー様のプレリュードです。
古めかしくも何故か魅力を感じます。
現在のエコカーと異なり、スタイルの良さ、もっと力強くと探究心を込めて
作られたエンジン。 90年前後の車は、全ての車に前向きの力強さが有ります。
後、当時の夢や思い出なども有るのかな~
こちらはUSアコードです。 左ハンドルが当時は貴重で、未だに根強い人気を
誇る90年代の”THE HONDA”です。
残念なことにドアガラスが割れてしまったトラブルです。
部品が無いと廃車と言う事にもなりかねません。
この様な部品は国内には有りませんが、まだ新品部品は存在します。
弊社がトラブルの報告を受けてから4日目にはオーナー様の所に納品となりました。
しかし今回は色々なタイミングが良かったのでしょう。
例えばこんな部品も有ります。 プレリュードBA5の4輪分ABSセンサーです。
なかなかこんな部品はこの世に存在しませんね。
中古部品となってしまいますが確実に探し回った品物です。 4日で来る物もあれば、
半年以上探し続けた部品も有るという事です。
20世紀の車は長く乗れるという意味で海外の方には人気が有るのでしょうか。
己の古い物を大切にするという精神を、改めて見直す必要が有りそうです。